SOHOという言葉が一般化しています。この「SOHO」という言葉は、英語のSmall Office Home Officeの略称であり、小さな事務所や自宅を仕事の場として、ITネットワークを駆使しつつ事業を起こした個人事業主を指します。
このような働き方はIT技術の発達によって可能になってきた形態です。この働き方の特徴はなんといっても雇用されないということです。サラリーマンなどと異なり、会社に守られることはないですが、自分で決められる自由さもあります。
では、SOHOのメリット・デメリットはどのようなものでしょうか。具体的に見てみましょう。
最初にあげられるメリットは、自分で選択した仕事ができるということです。自分で事業内容を決定するのですから当然ですが、自分のスタイルとか、夢を実現させようとするには有力な方法となります。
他には、通勤ということを必要としないのでその時間も活用できることや、服装なども自由なので、やりやすい環境で仕事に打ち込むことができるということがあります。人間関係に悩みやすい方でも煩わされないことも挙げられるでしょう。
しかし、デメリットももちろんあります。最も苦労することは収入の不安定さです。基本的にSOHOスタイルによる仕事は「請負」です。これは、継続的な仕事とはなりにくい契約が多いことが主な原因です。
また、収入について言えば、「キャッシュ・フロー」に対する意識も高くする必要があるところです。いわゆる支払サイトに気を付けなければなりません。実際に収入となるまでに一定期間必要なことには注意が必要です。
この他に、雇用関係で適用される「労働基準法」は適用されませんし、社会保険も自分で加入することとなります。また、すべて自分一人で行うために、実際には営業・経理といった作業も自分でこなすことになります。
こうした点も考えてSOHOで事業を始めようとする場合、開業するためには「個人事業主開業届」を税務署に提出することで足ります。公的な手続きはこれだけですので、この点だけ見ると非常に簡単ですね。
しかし、サーバーなどの環境整備とか、名刺作成など、実際に始めるまでにはいろいろあるものです。おそらく、こうやって読んでいる印象とは程遠いぐらいに気忙しい感じがすることでしょう。
また、会社法の改正後、資本金が0円でも起業できるとして初めから「会社」にして始めようとする方もいるかと思います。この場合、記帳の義務や、設立登記費用などの問題がありますので、十分な検討が必要です。